カセットデッキTEAC R−999X

機構機能など

R-999Xはテープデッキで有名なTEACが1984年に発売したもので、当時の定価は¥149000だったそうです。
ライバルのAKAI GX−R99やNakamichi RX−505などと並んでともにリバースタイプのトップクラスです。
一般的にリバースデッキはシングルウェイデッキに比べて機構が複雑で可動部が多いため、性能的に劣ってしまいます。
そこでこのデッキは走行系において、両キャプスタンのブラシレスDCサーボモータによるダイレクトドライブ化。
および両リールにコアレスDCサーボモータ配し、ダイレクトドライブ化をしました。このことで走行系は正逆方向でほぼ対称になっています。
また通常多くに使われているアイドラではできないオープンデッキなどと同じようなモータによる一定のバックテンションがかけられています。

又、ヘッド部の高精度化のためには、Super A.R.H.Sと呼ばれるアルミダイキャストや
アルミナセラミックス等を使った高精度メカが搭載されていて、リバース時のアジマスずれなどを軽減しています。
その他の特徴としては、電動グライドパネル、コバルトアモルファスヘッド、dbxNR搭載などが挙げられます。


使用した感想

1. メカレスポンス

割と良いメカなようで高性能デッキとして十分なレスポンスを備えていて、ポーズの解除、リバースなどもあまり時間のロスなくできます。
ただメカ切り替え時のカム回転音は結構大きめです。テープのFF,REWはDDモーターのおかげでかなり静かです。スピード的には速い方ですが、
テープの末端では減速するようになっているようです。


2. 各機能

l CPS

これは現在一般的に使われているのと同じ頭だしの機能です。テープAB面にわたって全後15曲の頭だしが可能です。
多少今のと比べて操作が洗練されていないようにも感じます。

l BLANKSCAN

これは再生中の無音部を飛ばす機能ですが、ちょっと間があきすぎると飛ばされたり、最も使えそうな面の折り返しも、
逆の面の一曲目が飛ばされたりとあんまり実用的ではありません。多分うまく合うように録音すればかなり使えそうですが。

l テープキャリブレーション

オシレーター付のバイアス、レベルの左右独立式が搭載されています。これを使ってテープの特性に合わせた調整をするのが
私は結構気に入っています。

そのほかには、Block repeat,Intro check等ありますがそんなに使う機会はありません。

細部のアップ

表示部 グライドパネル
通常表示部に使用されるFLタイプではなく、
LEDが多用されていて個性的です。
個人的には気に入っています。
録音操作系はほとんどこのパネル内にあります。
大部分にアナログ式のデバイスが使われています。
キャリブレーションは左右独立のテストトーンを
使ったもので、バイアスとレベルが調整できます。