1-4メカ駆動方式

カセットデッキはオープンデッキのピンチローラー上下に加え、
ヘッド部も上下させる必要があります。この部分が故障すると、
デッキからテープが取り出せなくなったり、テープが絡んだりして厄介です。
ここではそれらメカ駆動方式に関することについて書いています。

1、メカニカル方式
 これは古いデッキ、小型のテレコ等に見られる手動式のことで、
モータなど電気の力は借りず、てこなどでヘッド等を動かします。
この方式は他の方法に比べ機構がシンプルで、多少動作が重くなる
ことはあっても、無理な力がかかったり、材質に難が無い限り
故障はほとんど無いでしょう。また即応性も最高で、
思うままにメカがコントロールできます。

しかし高級感は少なく、コンポ−ネントのデッキにはまず使われません。


2、ソレノイド(プランジャ)方式
 ソレノイドとはコイルが外に巻かれた筒に、金属の棒が挿入されたもので、
コイルに電流を流すことで金属棒が出たり入ったりするものです。
これを使っていたのは古いものに多いです。

ボタンに軽くタッチするだけでメカが動かせるのはいいのですが、
動作音が大きいことや作動時に衝撃が発生するのが難点で、
昔のデッキに共通する「ガチャン」という音や、ヘッドのアジマスずれなど、
後述のカム方式と比べると弱点が多いです。


3、トリガ方式
 これはソレノイドとキャプスタンモータによってメカを駆動する方式です。
構造はソレノイドがカムとキャプスタンモータとの接続、切り離しを行い、
キャプスタンモータがカムをまわしメカが動きます。
これはメカ切り替えのレスポンスが多少悪いように思います。


4、モータ+カム方式
 これはメカの駆動用に専用のモータが配置されている方式で、
モータがメカを動かすカムを回すことで切り替えを行います。
騒音、衝撃の原因となるソレノイドを使わないため、
動作は静かなものが多いです。難点を挙げるとすれば、
メカの状態を把握するために必要なモードスイッチ(ロータリーエンコーダ)
の接触不良がが原因の動作不良が起こることがある点です。


写真1:カムとモードスイッチ

5、ヘッドリバース機構
オートリバースデッキはカセットを裏返す手間がなく、
長時間録音が可能になるなど利便性が向上しています。
その代わりにアジマスのずれなどが発生しやすく、
機構にこだわったデッキなどもありました。
ここではヘッドの切替機構について書きます。

5.1、扇形ギアとギア
この方式がデッキ向けとしては一般的です。これは扇型のギアが動くことで
ヘッドベースに固定されたギアとかみ合いヘッドを180度反転させる方式です。

5.2、ラックギアとギア
この方式は一部の高級デッキに採用された方式で、扇型のギアの代わりに
ラックギアが搭載されていて、ヘッドベースのギアが3つになりがたつきが減少しています。

5.3、テープ反転式
これは特殊かつ面白いもので、デッキ自体がテープを反転させるため、
シングルウェイのデッキとほとんど同じメカニズムが可能になった優れもので、
見ていて楽しめるし性能は一流というなかなかすごい発想の機構です。

5.4、4trヘッド搭載
この方式ではヘッドは回転しないで済みますが、クロストークの影響で廃れたらしいです。
詳しくはヘッドの項参照

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